漢方薬局 桃仁の薬草魔女ブログ

医は仁術と教えてくれた父のこと

世界各地を旅している気分で、各地のお茶を飲み、ブログを書いています。

今日は、台湾の台中、茶葉にお湯を足しながら、一煎目、二煎目、三煎目と 白桃烏龍茶を味わっています。

甘い桃の香りのするお茶をいただきながら、父のこと思い出して書いています。

茶器は、中国茶を楽しむ 桃の模様を選びました。
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桃は、桃仁の名前にもありますが、私が店名を桃仁にしたのは、父の想いを引き継いでいこうと思ったからです。

父は、患者さん思いの優しい医師でした。

もともと、病弱な父は、病の辛さも良くわかっていたのでしょう。

患者さんの病気だけを見るのではなく、その人を一人の人間としてみる医者でした。

私に良く語っていたことは、

「医者は大したことはできないんだよ。ただその患者さんが治ろうとする力に手を貸してあげるだけなんだよ。」

また、重病の患者さんを診察することが多かった父は、

「医者は、その人にとって人生で一番最後に出会う人になるかもしれない。だから、人格者でなくてはね・・・」と

私に教えてくれました。

父が亡くなった日、父が務めていた総合病院では、

患者さんたちが、「先生が帰ってきた。先生の足音が聞こえた。」とざわめいたそうです。

父は、革靴をキュッキュと鳴らして歩く癖がありました。

父が亡くなった朝、病院内には父の靴音が響いたのでしょうか?

父のお葬式の時も、ひとつのお寺には入れきれず、2か所のお寺で行われたのですが、

それでも、父を思い、手を合わせる人が、何処からか次々とやって来ました。

こんなお葬式は見たことがないとも言われました。

そんな父は、仁に厚い 「仁厚院○○○」と父らしい戒名をつけて頂きました。

我が家には、「医は仁術なり」の額がかけられていて、

小さい頃から、仁の字はなじみ深いものでもありました。

「仁」の字が入った生薬、「桃仁」を店名にしたのは、

父のように 患者さん、その人をしっかり見ていきたい。という想いからでした。

父が亡くなった日も、今日のように暑い暑い日でした。

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