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漢方薬局 桃仁

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漢方薬局 桃仁の薬草魔女ブログ 2023年5月

甲状腺について

甲状腺の異常が様々な症状を引き起こす原因になっていることがあります。
今回は甲状腺について、簡単にお話をしたいと思います。

見出し
①甲状腺とは?
②甲状腺の病気
③その症状、甲状腺が関係していませんか?
④甲状腺の検査
⑤補足

①甲状腺とは?
甲状腺は甲状軟骨(のどぼとけ)にある蝶が羽を広げたように見える内分泌腺です。
つばを飲み込んだ時に動く部分が甲状腺です。

甲状腺は甲状腺ホルモンを産生し、貯蔵し、放出するという働きを担っています。
甲状腺から分泌されるホルモンは、サイロキシンとカルシトニンがあります。
サイロキシンはアミノ酸にヨードが結合したものです。
サイロキシンの作用は、多々ありますが、その基本は新陳代謝の亢進です。
甲状腺ホルモンの作用
全身  ;基礎代謝量上昇、熱産生
脳   ;脳の正常な発達を促進
心臓  ;心拍数増加、収縮力増強
骨格筋 ;タンパク質の異化(代謝によってエネルギーを作る)
肝臓  ;コレステロールの低下、中性脂肪の低下
腸管  ;糖の吸収を促進
脂肪組織;脂肪分解促進
骨   ;成長ホルモンと共に骨格の正常な発達を促進

※カルシトニン 骨新生作用

②甲状腺の病気
★バセドウ病   ;甲状腺の機能亢進
 症状      ; 疲れやすい、動悸、頻脈、心房細動、手足の震え、体重減少、甲状腺の腫れ、
          コレステロール値が下がる、汗をかきやすい、暑がり、イライラ、早口、
          軟便、下痢、筋力低下、食欲亢進、上眼瞼後退、眼球突出など

★橋本病     ;甲状腺の機能低下
 症状      ;疲れやすい、気力低下、寒がり、皮膚の乾燥、徐脈、体重増加、低体温、
          無気力、うつ状態、物忘れ、便秘がち、甲状腺の腫れ、コレステロール値の上昇
          筋力低下など

バセドウ病、橋本病は良く知られていますが、それ以外にも甲状腺の病気があります。
参考に
★粘液水腫    ;橋本病が進行し著しく甲状腺ホルモンの値が低下した状態、まれな病気ではあるが
          命にもかかわる。
★無痛性甲状腺炎 ;甲状腺ホルモンの値が乱れ高くなった後に低くなり、やがて正常値に戻る。
          破壊性甲状腺炎が原因、橋本病に合併したり、出産時にも起こりやすい。
          甲状腺の産生には問題がないが、貯蔵に問題があり、治療をしなくても
          数か月後にはホルモン値が戻る。
★亜急性甲状腺炎 ;甲状腺のウィルス感染、痛みは伴うが治る。これも、破壊性甲状腺炎の一種。
          痛みがひどいときは、副腎皮質ステロイドなどが治療に使われたりする。
★妊娠性一過性甲状腺機能亢進症;妊娠初期に胎児がまだ甲状腺ホルモンが作れない時期、妊娠
          7~15週にかけて、母体の甲状腺機能が亢進する。
          その後は胎児が甲状腺を作れるようになれば、元に戻る。

その他にも、線腫様甲状腺腫、自律性機能性甲状腺結節、甲状腺乳頭がんなどがあります。

③その症状、甲状腺が関係していませんか?
様々な疾患の原因が、実は甲状腺が関係していたということが、多々あります。
例えば、イライラやドキドキなどがあり、更年期症状と思っていたら、甲状腺機能亢進症だったり。
また、やる気がなく、疲れやすく、気持ちも沈み、うつ状態なのかもしれないと思っていたのが
甲状腺機能低下症だったり。
意欲も元気もなく、年齢的にも認知症なのだと思っていたら、これも甲状腺機能低下が関係してたりなど
そのようなことがあります。

以前勤めていた調剤薬局でも、気持ちがイライラ、落ち着かず心療内科にかかられていた方が、甲状腺機能亢進症があったり、またうつ症状が中々改善しない方に甲状腺機能低下がないか、検査をしてみるのも
良いのではないかとアドバイスをしたりしていました。
また、60代始めで、認知症が疑われ、ご主人が落胆されていた方にも、もしかしたら甲状腺機能低下がないか、検査をしてみるようアドバイスをさせて頂いたりしていました。

甲状腺機能低下症、亢進症は圧倒的に女性の方が多いですが、男性ももちろん甲状腺の機能異常が
見られることはあります。
これも以前、勤めていた調剤薬局での事ですが、お母様の薬を毎月受け取りにいらっしゃる男性が
いました。年は50代くらいだろうかと思っていましたが、ある時、お痩せになって、はつらつと薬局
に入ってこられました。
あまりの変わりように驚き、お痩せになりましたねと話すと、甲状腺機能低下が分かり、治療をするようになりましたと話していました。
以前は、少し顔もむくみ、ろれつが回っていないような話し方をする方でしたが、それもなくなり、10歳も20歳も若返ったように見えたものです。

④甲状腺の検査
問診、触診の後、血液検査で、甲状腺ホルモン作用を持つ遊離甲状腺ホルモン、FT3、FT4、及び
甲状腺刺激ホルモン TSHの値を調べます。
FT3,FT4が高く、TSHが低い→甲状腺機能亢進症→バセドウ病を疑う
FT3,FT4が低く、TSHが高い→甲状腺機能低下症→橋本病を疑う
この他、自己抗体や超音波検査などを基にして、ガイドラインに沿って診断されます。

⑤補足
日本は海に囲まれており、他国に比べ、海藻を多く摂る国民です。
海藻などに含まれるヨードは、甲状腺ホルモンを作る材料となります。、
ヨードは多すぎても少なすぎても、問題を起こすことがあります。
橋本病などの病気がある人は気を付けなければなりません。
また、バセドウ病では、ヨードを多く摂ることで、甲状腺ホルモン産生低下を利用した治療もあります。

※ヨードを多く摂ることで、甲状腺刺激ホルモンが、もういらないねと判断し、それにより甲状腺ホルモンが低下します、身体にはこのような微妙な調節機能があるのです。

うつ症状や更年期症状、そして、認知症状など、その陰に甲状腺の問題が隠れていることも、ままあります。気になることがある際は、一度、甲状腺を診てもらうのも必要ではないかと思います。



















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ストレスについて

40代以降の女性を主にターゲットにして、身体のこと、病気のことなどを発信していきます。

大人になったプリンセスへ 

ずっとこの先も輝き続けるための西魔女講座です。

初回はストレスについて

見出し
  ①ストレスとは
  ②ストレスホルモン
  ③ストレスホルモンと糖質コルチコイド
  ④ストレスとの付き合い方
  ⑤最後に

①ストレスとは
ストレスは多かれ少なかれ、万人が抱えているものだと思います。
ストレスが原因の不調、そしてその不調がやがて引き起こす病気など、多くの病気の要因の一つにストレスが挙げられます。
ではストレスは悪者なのかというと、そういうことではないのです。
では、ストレスとは何か?
ストレスとは、物理学の分野で使われていたもので、物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態を言います。
心や身体にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、それに適応しようとする反応をストレス反応と言います。
心や身体に影響しているストレッサーには
物理的ストレッサー 寒さや暑さ、騒音、混雑など
化学的ストレッサー 薬物、酸素欠乏や過剰、公害物質、一酸化炭素など
心理.社会的ストレッサー 人間関係、仕事上の問題、家庭の問題など
以上のようなものがあります。

ストレッサーによって起こされる反応は、心理面、身体面、行動面に分けられます。
心理面でのストレス反応では、意欲、関心の低下、イライラ、不安症状、抑うつ状態などメンタルの症状が出ます。
身体面でのストレス反応では、頭痛、肩こり、腰痛、動悸、息切れ、身体の痛み、不眠、
胃の不調、食欲低下、便秘や下痢など様々な症状が見られます。
行動面でのストレス反応には、飲酒料の増加、喫煙量の増加、仕事でのミスの増加、買い物依存症など
こちらも様々なものがあげられます。

思い当たる事ありませんか?

②ストレスホルモンとは?

ストレスがかかると身体はそれに対応して副腎皮質からホルモンを分泌します。
それがストレスホルモンと呼ばれる、コルチゾールなどです。

これは通常でも朝に多く分泌され、夜に向かってその値は下がっていく生命維持に欠かせないホルモン
なのです。
その働きは、ストレスを抑えたり、身体を活動させるために血糖値や血圧を上げ、体温を上げ
炎症を抑えたり、免疫を調整して抑えたりしています。

コルチゾールが朝に高くなるのは、起きてこれから活動するためで、夜に向けてその値が下がり
就寝につくのは理にかなっていますね。

だから、ストレスホルモン、コルチゾールは悪者ではないのです。

では、なぜストレスで体調が不調になるのか?
(ここが大切‼️)
コルチゾールはストレスがかかると身体を守るため上がりますが、通常はホルモン値が上がると
ネガティブフィードバック機構によって、その値が下がる仕組みになっています。
コルチゾールが上がりっぱなしではないのです。

しかし、過剰なストレスが長期に続くと、ネガティブフィードバック機構が壊れ、
コルチゾールが高い状態が続くことになってしまいます。

それにより精神面、身体面に様々な悪影響を及ぼしてしまうのです。
(繰り返しになりますが)
精神面では、意欲の低下、イライラ、不安、鬱症状など色々
身体面では、血圧上昇、血糖の上昇、コレステロールの上昇、息切れ、動悸、頭痛や肩こり
腰痛、胃の不調、食欲低下や亢進、便秘や下痢、不眠など多彩な症状が出ます。  

③ストレスホルモンと糖質コルチコイド
ストレスホルモン、コルチゾールを基に化学修飾して合成されたものが、糖質コルチコイドで、
臨床で様々な面で使われています。
(つまり、臨床ではコルチゾールを基に作られた薬が治療薬として使われている、役に立っているのです)
それらは、内服、外用薬、注射薬として幅広く使用されているのです。
糖質コルチコイドは、強い抗炎症作用、免疫抑制作用があり様々な疾患に用いられています。

またその生理作用から、様々な副作用もあげられています。
簡単にお話ししますと、例えば、炎症を抑える目的で使っている糖質コルチコイドが、その生理作用によって血圧が上がったり、血糖が上がったり、骨が弱くなったり、抗炎症だけ必要で使いたいところが、
血圧上昇、血糖上昇、骨粗鬆症などはいらない作用、つまり副作用となってしまうのです。

副作用としては、高血圧、高血糖、脂質異常、胃酸分泌増加、体重増加
骨粗鬆症、中枢神経興奮、易感染、うつ状態など、これ以外にも多数ありますので、
ステロイドの使用は医師がその状態を見ながら上手く使っているのです。

④ストレスとの付き合い方
1番多いストレスは人間関係のストレスですよね。
信頼のおける誰かに相談できる環境があるとだいぶ違ってくると思います。
抱え込まないで話してみるのが大切です。

日常で簡単にできることは、基本ですが、やっぱりバランスの良い食事をとる、睡眠時間を確保する、
好きなことを取り入れる、好きな香り、好きな音楽、好きな場所に行く、家の中でも自分がくつろげる場所を作ったり出来ないでしょうか?
庭の片隅にお花を育てたり、野菜を育ててみたり、お風呂場だけでも自分の好きなように変えてみるとか
工夫することも、楽しみになるのではないでしょうか?

また、適度な運動もコルチゾールを抑え、そして、ストレッチなどは身体や心の緊張をほぐすことにも
なり、ストレスの軽減にもなりますよ。
笑うこと、そして泣くこともストレスの緩和になるそうです。
そして、ストレスとなること、なるものから逃げるのも、ある意味必要です。
それは必ずしも出来ないこともあるかもしれませんが、
工夫できることはやってみるのが良いと思います。

旅行など、日常と離れてみることも良いですね。
テレビで専門家が話していましたが、慢性的なストレスが、コルチゾールを上げ、脳の神経栄養因子を
低下させ、脳の海馬(記憶などを司る)にダメージを与え、鬱になるとも話していました。
また、一喜一憂が大きすぎると脳に強い負荷がかかり鬱を引き起こしやすいという話もされていました。

*ストレスが長期に続き、不調が改善しないときは、医療機関を受診することをお勧めします。

⑤最後に
大人になったプリンセスは、若い頃と比べると、また、若い人と自分を比べて、不安など、思うことが増えてくる年代だと思います。
40代、50代、60代、そしてそれ以降
私自身、年甲斐もなくディズニーに出てくるプリンセスが大好きなのですが、
彼女たちは、苦境にあっても、それが理不尽なことであっても、常に顔をあげ、自分の未来を切り開くため、強い意志を持った女性たちです。そして、自分の手で幸運を掴み取ります。

人生をずっと自分なりに輝き続けていきたいものですね。
身体のこと、病気のことなどを中心に、薬剤師として何らかの形でサポートしていきたいと願っています。これからもよろしくお願いいたします。

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